シナリオライターになりたい人のためのブログ。

あんこといんことうんこの境目が知りたい。

落ち着く、なのに満たされるカフェ

ここ最近、ただただ必死に書いて、書いて、書いて……と

書きまくって息切れしていたので以前存在を知ったものの

気になったまま訪れることのなかった

高円寺のアール座読書館に行ってきました。

外観はこんな感じ。

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一見するとカフェだとは思えないですよね。

ドアも、中が見えないつくりだし(のぞき窓はあります)

通りかかっただけでは絶対に入ることのないお店ですが

中の雰囲気は前々から知っていたので

臆することなくドアを開いて中に入りました。

中の様子は…他のメディアが詳しく取り上げてくれているので拝借。

matcha-jp.com

 

ともかくこのお店は、入ってみると静か。

喋るの禁止なのでオーダーのときの声も囁き声。

今日はここで煮詰まった頭を冷ましながら

プロットを練ろうと思ってたのですが、

メニューを開いてみると…。

 

【楽しみ方】
お席に腰掛けて気持ちを落ち着け、思考を止めて頭を休めて下さい。

木々と水音と幻想的な音楽の中で感覚を開き、

出来るだけ現実的なことを忘れて、読書やお飲み物や瞑想や妄想なんかを

楽しんで下さい。

時間内でしたらお仕事やお勉強にご利用頂いても構いませんが、

合間に一時でもそれを忘れる時間を作って頂けると幸いです。

店主

 

はい、この文を読んで、やらなきゃ、やらなきゃ、と焦り気味の意気込みが

どこかへスーッと消えていきました。

本当に不思議なお店です。

そのあとコーヒーを飲みながら本を読んで、しばらくゆったりしながら

プロットを考え始めていると外でシトシトと雨が降り始めた。

その小雨具合が、このお店の雰囲気にぴったりで

心が落ち着いて穏やかになっていくのを感じました。

ゆるやかに力が抜けたからか、

その後プロットの中のテーマがかっちりとハマり

いいものが得られました。

がんばってがんばって、疲れたけれど、でも踏ん張って

どうしてもがんばらなきゃという人にオススメです。

不思議な空間で、落ち着くのに満たされる感覚が味わえるお店でした。

 

ゲームのシナリオライターが他の脚本家とは違うこと

ライターと言っても、何について執筆しているかによって

大きく立ち位置が異なります。

 

コピー、記事の編集ではなく

シナリオと区別しても

映画、テレビドラマ、アニメ、ゲーム、舞台、マンガ原作・・・と

ジャンルは分かれます。

 

この中で私は主にゲームのライターとして仕事をしていますが

お仕事を受ける際、

著作権の放棄、著作人格権を行使しないという

契約を交わすことが多いです。

 

これは、クライアントが企画(0からのアイデア)をし、

自分はあくまでシナリオにするお手伝いをしていると考えて

契約書にサインしています。

(この場合、何かいいアイデアあればください

と相談されたときに出すか出さないか考えることがあります)

 

その点に関しては問題ないのですが

今後の依頼をいただけるかどうか、

シナリオライターとしての生活に関わってくるため

執筆した実績を公表してもよいかとは確認して、

公開できる案件のほうを優先させるという

ことはあります。

 

自分で書いたんだから、書いたって言ってもいいよね?

と思いたいところですが

 

案件によっては携わったことを公表することも

面談時のみの非公開な場で職務経歴書

記入することもNGなものがたびたびあります。

(それはそのとき、その案件によって

事情があるので一概にこれが原因とは言えません)

 

コンシューマーであれば最後にエンドロールが流れ、

そこにライター名がクレジットされることもありますが

SNS系、アプリ系の場合はあまりそういうことはないです。

 

作品の中で名前が出ないこと。

ゲームでも特にアプリ系ではこれが他の媒体とは違う点です。

 

また、基本的に原稿執筆料のみが支払われ、

印税が入ってこないということもあります。

携わったゲームが大ヒットしても、

その利益がライターに直接還元されることはありません。

(好評であれば次からの原稿料が上乗せされる、など

後々の収入に反映されることはあります)

 

これに関しては、原稿料がなく印税のみという媒体の

話も耳にするので

書いてた期間の収入の保証がなくて

当たるかどうか博打で書かなければいけないというリスクがなく、

書いた分だけお金がもらえる、という

安定があるとも言えます。

 

 

***

 

 

さて、ここまで聞いてどう感じましたか?

エンタメ業界全体が不明瞭であやふやなところはありますが、

特にゲームは若い文化だと思うので

体制が整っていないなあと私は感じています。

 

そもそもゲームのシナリオライターになるためには

どうすればいいのか、でつまづく人も多いようで

今でも以下の記事がこのブログのトップアクセス数を誇ってます。

 

la-megane.hateblo.jp

 

少しでもライター志望の人が望みの職に就けるよう、

そしてせっかくプロになったらその後も続けていけるよう、

お手伝いしたいという思いがあってこのブログを細々と続けてますが、

ようやく大きな流れが生まれたようです。

 

ゲームシナリオライターの生活支援、活動促進を目的とした「日本ゲームシナリオライター協会」が設立|Gamer

 

ゲームのライター同士ではなかなか交流が生まれず、

悩んだ時に誰にどんな相談をすればいいのか?

そもそもフリーランスとして仕事を始めるには?

確定申告のときはどうすればいいのか?

収入や住んでる市区町村によって支払額が変わる

健康保険をもっとお得にできないか?

もっともっと技術を向上させたいけど、どこで学べば・・・?

 

そんな悩みを包括してくれる、とても頼りがいのある団体に発展しそうです。

 

私はゲームにはゲームにしかできない表現、

主人公(=ユーザー)が物語の展開を選べる、

ユーザーが自分の意思を介在させられる、

という点が好きで、ゲームのシナリオを書いてます。

 

もしあなたもゲームのシナリオライターとして

生きていきたいと考えてるなら、

きっと大きな助けになってくれると思います。

 

私はそもそもが同人ゲームを自作して

ネット公開などの活動をしながらこの道に進んだので、

JNCA 日本ネットクリエイター協会

こちらを通して文芸美術国民健康保険組合

入っていますが

今後開催される予定の講座などが気になり、加入を検討しています。

(JNCAも個人クリエイターを応援してくれる

楽しい団体なので切り替えの予定はないので

こちらにも追加で加入しようかと)

 

最初は担当との方との二人三脚で仕事をこなせていましたが、

そのうちに執筆で悩むことも増え、今も悩みは尽きません。

そんなとき、気楽に話せる仲間がいることが

私の大きな支えになっています。

 

 

そんな繋がりをつくるという点でも、

協会の存在はこれから重要になっていくんじゃないかな、

と思います。

やっぱり、ゲームつくるの好きだ~闘会議2日間の戦い~

日本ネットクリエイター協会(以下、JNCA)。

最初はどんな活動をしているのかも分からなかったけれど

文芸美術保険に入りたくて加入しました。

 

その集まりにて、

 

「2月11日、12日に開催される闘会議に出ます。

そこに向けてゲームをつくってください」

 

と言われた。

そのときすでに11月半ば。

 

ボカロPいるし、エンジニアいるし、

シナリオライターいるし、イラストレーターいるし、

人材だけ見れば豊富だけども・・・

誰が指揮とるのかも分からず。

 

それにゲームといってもなんのジャンルなのか?

RPGツクールMVを使用してアツマールにアップして

遊んでもらうということは決まっていたけれど

クリエイターというのはそう素直な人種じゃない。

 

ここでストレートにRPGをつくろう、と思ったのは私ひとりだけ。

 

やりたいことが別れ・・・

気がつけば、何チームかに分かれてそれぞれ

好きなものを好きなようにつくることになった。

 

そこからは・・・もう、とにかく夢中で走りぬいた。

そんな記憶しかないです(笑

年末年始のお休みは、集中して仕事するチャンス!

とばかりにゲーム制作を進めて

年が明けたら、当日のステージ運営スタッフとの打ち合わせが続き

自分が生放送に出るのか~・・・くらいで

まったく、イベントの中身を理解してなかったのだけど

よくよく聞いてみたら、

ある程度遊べる状態までつくりこんでおき、

当日、ニコニコで実況者をしている方々を招いてプレイしてもらい

出てきた要望をくみ取って、その場でゲームに反映していく

ということらしい。

 

ん? あれ。

闘会議って、Switchのブースとかあるよね。

遊ぶのは整理券とかあって難しそうだけど

眺めるくらいはできるかなぁ・・・なんて呑気に構えてたら

闘会議当日の2日間、製作者として参加した人間に

デスクを離れる余裕なんて与えられませんでした(笑

 

12時に生放送が始まり、自分たちのゲームの説明。

実況者さんに触ってもらって要望をもらう。

14時には次の実況者さんが来るので

それまでに何かしら要望を反映させて、ゲームに実装

16時にまた次の実況者さんが来て要望聞きつつ、

その日の成果を発表

 

12日の二日目には、どのゲームもエンディングにまで

たどり着かないといけなかったので

お昼食べる暇もなかったです(笑

 

かなりの無茶なペースでしたが、

二日目には音楽担当のT-Pocketさんが

私のゲームのテーマ曲をつくってくれて

(めちゃくちゃオシャンティでかっこいいです!

↓ここから聴けるのでぜひとも視聴あれ~

おしゃんてぃ uploaded by とみの形 | TmBox

 

そのほか、必殺技のSEや効果音などなど

音楽チームが会場内から音源採取してその場でつくってくれたり、

イラスト担当じみさんが、

もっとこの絵をいやらしくするにはどうしたらよいですか

とかいう突然の質問に

真剣に考えて丁寧に対応してくれたり・・・。

 

また、この当日を迎えるまでに

かにみそPさん、猫虫Pさんの楽曲を使用するための

権利面での確認のやりとりで

JNCAの方に奔走してもらったり

(JNCAは、クリエイターの著作権の管理が

重要なお仕事なので

権利関係はきちんと筋を通して

すべてクリアにした状態で

楽曲をお借りしました)

 

 

最初に、ゲームをつくってください、と言われときは

どうなることやらと思っていたけれど・・・

周りのいろんなクリエイターや

クリエイターをサポートしようとしてくれる方々の

存在のおかげで、ゴールまで走りぬくことができました。

 

またこの闘会議では、自分が作業している目の前に

自分のゲームがセットされたPCが置かれて

自由に遊んでもらえるようになってました。

「なんだこれ、つまらなくない?」

・・・ていう子供たちの素直な意見とかも直に聞けて

普段味わえない体験ができました(笑

 

最後にフィナーレを迎えたとき、正直腰抜けてたし

疲労感はとてつもなかったけれど

終わって余韻も抜けた今となっては、

参加してよかったなという充実感だけが残ってます。

 

正直な意見が聞けたので、反省点や改善点を洗い出しつつ

けれども自分の狙いがきっちりプレイヤーに伝わったという

手ごたえもあり、刺激と発見に満ちた2日間でした。

 

そしてじわじわと湧いてくるのは・・・

ゲームつくるの楽しい、という純粋な気持ち。

 

自分のゲームを通してプレイヤーと繋がれたあの体験は、

これからもゲームクリエイターとして生きていきたいと

そう強く思わせてくれました。

楽しそうにプレイしてくれたり、悔しがってくれたり、

いろんな人の、そんな顔を見てしまったら

つくるのって辛くて大変だけど、

やっぱりやめられないな、と感じました。

 

これからゲームつくりたいと思ってる人!

物書きになって、小説を発表したいと思ってる人!

とにかくいろんなクリエイターのみなさん!

自分の想いを形にして、どんどん世の中に発表しよう。

最初はなんの反応もなかったり、酷い意見が飛んでくることもあるけど

でもあなたの作品を楽しんでくれる人は必ずいます。

そのたったひとりのために、というかもう

自分が楽しむために、自分のためにでいいと思うんです。

作品をつくっていきましょう。

 

物をつくることを、最大限楽しみましょう!

私もめいっぱい楽しむんで!

 

・・・これからも、自分が最大限楽しみながら、

微力ながらも何かをつくっていこうとする人を

応援していきたいと思います。

 

 

ちなみに、まだ完結してませんが

私がつくったゲームはこちらから遊べます。

ふぁっしょなぶるRPG『オシャンティウォーズ』

http://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm1587