シナリオライターになりたい人のためのブログ。

あんこといんことうんこの境目が知りたい。

フリーのシナリオライターに常につきまとう不安

これは、シナリオライターに限らずですが

フリーランスをしていると常に不安がつきまといますよね。

毎月安定した収入を得られるという

保証はどこにもないですから…。

 

私はシナリオライターになる前は

フリーでWebプログラマー兼デザイナーをしていました。

正直、プログラミングもデザインも出来れば

そうそう仕事がないなんてことないんじゃないか…

 

なんて、はたから見てたら思いませんか?

 

 実際、プログラミングの知識とデザインの知識を活かして

ひとりでオンラインショップを構築したり…

会員制の携帯(ガラケー)サイトを構築したり…していました。

システム込みでお仕事をもらってたら、

かなりの金額がもらえます。

でも、とあるときに大きな壁にぶち当たって先に進むことができませんでした。

 

 

それは、スマホ全盛期の到来…です。

 

 

スマホでホームページを表示するには今までの技術から

新しい技術を学んで習得しなければならなくなりました。

 

こういう壁を、私は前にも一度感じています。

 

プログラマーを専門でしていたときです。

(*マニアックな内容なので興味ない人は詳細をスルーしてください。

ここで言いたいのは、私は2回、挫折したということです)

 

CobolVisualBasicでどっぷりお仕事してたら

.NETやJAVAがやってきてオブジェクト志向の波が来た。

なんとかついていこうと必死に勉強したけれど、

どうしても理解が追いつけなかった。

 

そこで立ち止まってしまい、よく考えました。

今ある目の前に立ちはだかる『壁』。

これを越えるためにがんばるか、否か。

必死で勉強したら、もしかしたら何とかなったかもしれません。

でも、そのためにがんばった先は、自分が行きたい道なのか?

 

私は、もっとクリエイティブなことがしたい。

けれど、当時のその地元にいて、考えられるクリエイティブな職業といえば

Webデザイナーだけでした。

 

イラストレーターやシナリオライターゲームクリエイターなんて

周りにいなかったので、そのときはまだ、そんな職業に就くという

考えはなかったんです。

でも、今思うとそれでも、この職に近づきたいと

どこかで感じてたのかもしれません。

 

少しでもクリエイティブなことをしたい…と、Webデザイナーに転職しました。

 

けれどもそこでもまた、壁が立ちはだかり

うんうん唸っているときに、たまたま知り合った絵がめちゃくちゃ上手な子がいて

その子が『BLゲームが創りたい』と言ったのを聞いて

ピン、と来ました。

 

『あ、私がやりたいことってこれ…?』と。

 

その当時、所属していた会社で、なぜか社長が映画監督の勉強を始めて

(これは、ストーリーマーケティングという、

物語を使って商品やサービスを売るという技術を獲得する為だったんですが

これについてはまた後で細かく書きたいと思います)

ハリウッドのシナリオ術を教えてもらい、

感動できるストーリーのつくりかたを学んでいたこともあり

なんとかシナリオを書くことができ、

あとの画面デザインや、スクリプトなどは今までの技能を活かして

すんなり取り組むこともできて

どうにかひとつの作品を創り上げることができました。

 

その、ゲームを0から創り上げるという体験が、

私の人生を決定付けました。

 

『ああ、私はゲームをつくって生きていきたい』

 

今まで、とりあえずやっては壁にぶち当たって、

違う道を探して避けてきました。

けれども、このゲーム制作だけはどんな苦労があっても

それを乗り越えるのが『楽しい』と

そう感じられたのです。

 

この壮大な前置きは、つまり…

色々と挫折して逃げたような人間でも、

それでもシナリオライターを続けていられる。

ということを伝えたかったんです。

 

それとまた、壁が立ちはだかったときに

乗り越えるだけが『正解』じゃない。

迂回した先に自分にとっての『正解』があるかもしれない。

ということも伝えたくて書きました。

 

さて、そろそろ本題に入りましょうか…。 

 

初めてのゲーム制作体験をきっかけに、

私はゲーム業界へ足を踏み入れました。

そこらへんの流れは

シナリオライターになるには - ゲームをつくる人のブログ。

こちらの記事で詳しく書いているので、ここでは端折ります。

 

自分が20代最後、という年齢だったことが

きっかけのひとつでもあったかと思います。

25歳が異業種への転職への限界…などを耳にしていたので

30代になったら挑戦するのは難しいんじゃないか

そんな気持ちもあって、まだ20代のうちに飛び込もう!

 

と、そのとき勤めていた会社を辞めていきなりフリーランスになりました。

 

はぁ〜…考えなしで、恐ろしいですね。あのときの自分。

でも、あそこで決心したから、今の自分は好きなことで食べていけている。

バカだけど、でもよくやった、と自分で自分を褒めたいと思います。

 

さて、そんな風に勢いだけで飛び込んで、

どうにか最初の1本、商業のお仕事をいただいたものの

なんの予備知識もなかった私は、

 

見積もりが全くできませんでした。

 

いくらくらいで書いてもらえますか? と最初に問われたときに

見積もりの仕方がわからなかったのです。

サイトを作ってください、と言われたら5ページくらいでいくらです。と

言えたけれど、文字をどれくらいかけていくらもらっていいのか

全くわかりませんでした。

 

プログラマもWebデザイナーも、一度会社に属して

見積りの仕方や、どんな手順でつくっていくのかを身に付けてから

フリーになったのですが、シナリオライターに関しては

何の予備知識もなくいきなり飛び込んだものだから…。

 

結局は、1KB(500文字)600円で受けました。

 

未経験だしどれくらい期待に応えられるか分からないので…と。

本編を無事に納品できたあとは、

クオリティに問題なしということで800円にあげてもらいましたが

それって標準と言われる1000円にも満たない金額だったんですよね…

と知るのはもう少し後になってからです(汗

(ただ、とてもありがたいことに、

当初ガラケー向けで出されたこの作品が

スマフォ向けにリリースされることになって、

追加の依頼を受けたときには

標準以上の金額をいただけました)

 

そう、まずフリーランスシナリオライターになってからの最初の問題は、

金額の見積もりの仕方が分からない、でした。

今でもどれくらいいただくのが適正なのか、というのは迷うところですが…

基準として、1ヶ月暮らせる金額を得るには

どれくらいもらえれば大丈夫なのか、という金額です。

その計算をするには、自分が1日にどれくらい書けるのか、を

知ることが大事、と気づいてきます。

 

では、どれくらいのスピードで書けるかなあ…ということですが、

最初の頃はとにかく書かなきゃ、と焦っていたので

資料をよく読み込まず、一通り流れを頭に入れて

書きながら理解を深めていく方法を取っていました。

 

でもこれ、手を動かして書けている気になるだけで

実はとっても効率が悪いやり方なんですよね…。

けれど最初はそんなことを教えてくれる人もいなく、

ただただ、がむしゃらにやってました。

 

最初につきまとっていた不安はこれです。

自分のやり方は正しいのかどうか分からない、です。

 

けれど、当時の私に考える余裕はなかった。

一人暮らしをしている以上、毎月家賃を払わないといけない。

正しいかどうかと立ち止まるよりもともかく、

次の仕事をもらわないと生活できない、

というプレッシャーがのし掛かっていたから。

 

 ともかく、最初のお仕事を無事に納品することができ

『商業経験あり』という肩書きを手に入れた私は、

ネットでお仕事を探し、営業したり…

一応経験しました、と同人活動を通して知り合えたクリエイターさんと

お話をして、その方を通して仕事の紹介をしてもらえたり、

まあとにかく、そのとき考えられる方法で営業をかけ、

いただけるお仕事は何でも受けていました。

一回でも断ったら、次からお仕事をいただけないんじゃないか

そんな恐怖もあったので。

そうして走り続けていくうちに…

 

 

私にとって3回目の大きな壁が立ちはだかりました。

 

 

それは、スランプです。

ドクタースランプあわれちゃんです。

 

…なんて面白くもないダジャレ言ってますが、

あのときはホントのホントのホントに、どうしようもなく苦しい状態でした。

納期があるから書き進めなければいけない。

けれど、一文書くだけにとてつもない時間がかかる。

そんな状態の自分がストレスで、書けない自分に憤りを感じて、

余計に苦しくなっていく。

そして、書くスピードがさらに落ちていく…。

 

負のスパイラルにはまっていきました。

辛くて辛くて仕方なかったけれど、

納期を破って逃げる、という選択だけはできませんでした。

ここで逃げたら、取り返しのつかないことになる。

今までのように壁を避けて違う道を行くということは

何故か頭に浮かびませんでした。

 

このとき、ツイッターでつい、弱音を吐いてしまったんですが…

それを見かけた、今まで交流の無かった方が、

 

「辛くても、それでも書こうともがいている。

それはきっと、あなたが文章を書くのが好きだからだ」

 

と、声をかけてくださいました。

その言葉は、とても嬉しかったです。

どうして私がここでは逃げ出さないのか。

それは、壁の先にある場所へたどり着きたいと…

ここだけは踏ん張りどころだとどこかで思っていたんですね。

それをその方に教えてもらい、前を向くことが出来ました。

 

そして、酷いクオリティだとは分かっていても

何とか書きあげ、納品しました。

返ってきた原稿には、それはもちろん、赤がビッシリで…

担当さんには、とてつもないご苦労をおかけしたと反省しています。

けれども、心を砕いてご指摘をいただけたことで、

自分ひとりでは気付けない間違い、

正解は何だったのかを知ることが出来ました。

 

初めての分野で未開の地を行けるのは

新たな経験値を得て、今後のお仕事にプラスになる!

…なんて気軽に受けて、発注してくださった担当の方に

相当なご迷惑をおかけしてしまいました。

この原因は、乗り越えた後だから分かるのですが

 

自分の得意なことと、苦手なことが分かっていなかった。

 

これに尽きると思います。

これはちょっと苦手かもしれない。

最初からそう思っていたら、いきなり本編を書き出す前に、

トライアルで触りの部分を書いて

それを確認してもらって雰囲気が合っていれば先に進む、

そこでどうしても無理だと分かったら辞退する…

なんて方法も取れたかもしれません。

 

未経験のことに挑戦して、自分のできるジャンルを広げていく。

これも大事だけれど、明らかにダメなジャンルを知って

発注してくださる方にご迷惑をおかけする前に辞退する。

…これも大事な選択のひとつじゃないかな、とも思います。

 

結局は経験してみないと何とも言えないのですが、

同じような経験をこれからする人がいるとして、

予備知識なくその壁にぶち当たるよりは、

少しでもこんな経験した奴もいるんだな…と

頭の隅に入れておいてもらうと、心の余裕ができるんじゃないか

なんて考えて、今回はこの記事を書きました。

 

このほかにも不安や悩みは尽きないと思いますが

ただでさえ長いのに、もっと長くなってしまうので…

今日はこの辺りで終わり!

次は、こんな経験を踏まえながら、企業に属して

シナリオのお仕事をするということについて

書いていこうと思います。

 

 

 

 

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