シナリオライターになりたい人のためのブログ。

あんこといんことうんこの境目が知りたい。

自分の弱点は?

最近、特に考えるのが

自分の弱点。

シナリオライターになってすぐに、

友だちと共に女性向けコンテンツのブランドを立ち上げました。

色んな人たちが集まってくれたお陰で

ドラマCDを商業流通させたり、

ニコ生で月一の生放送番組持ったりできたんですけど、

数年して解散になりました。

原因は自分が無理だ……!

と限界になって逃げたと言っても過言じゃないです。

 

あのとき、自分のできないことを理解せずに

色々やりすぎたんですね……。

シナリオ、デザインはもちろん

ドラマCDのときはBGMの選曲も担当したり

ディレクターの立ち位置で全部決断をくだす立場にいました。

ノベルゲームのときはスクリプト

背景イラストも描いてました。

メンバーはそれぞれ

クリエイティブなことがしたい! と集まってくれたけれど

どうしても自分でやったほうが

クオリティと作業時間が効率的と考えると

人に任せることができなくて

それが他のメンバーを追い込みました。

 

私は、上の立場にたって

誰かに教えるのが無理みたいです。

 

短気なんで、納得いかない仕上がりだと

追い詰めてしまう。

言い方に気をつけて言葉を選んでも

結局、うまく導けなくて

何回もダメ出しするから

相手が折れ、こっちも骨折って疲れました。

 

教えてる暇あったら、

勉強して、上達してひとりでやったほうがいいわ!

…と。

 

 

ここで痛感したのは、私は、

複数の人と作業するのが超絶苦手だということ。

スポーツでも団体競技苦手で

バレー、バスケットは避け

卓球とか剣道とかやってました。

 

誰かに期待したり、期待されるのが

ストレスです。

 

だからか、会社勤めができません。

転職に転職を重ね

正、契約、派遣社員含めて8社、転々としました。

最初の就職は地元茨城だったから

正社員で働くのが当たり前なんだと思い込んでて

息苦しくても頑張ってたんですけど…

 

それが間違っていた!

 

団体行動が苦手なのに、集団で働くのが

向いてるわけがない。

 

どうしても、集団から外れるほうが間違ってて

みんなで協力してひとつのことを成し遂げることが正しいんだよ!

て、考えが抜けなかったけれど、

ひとりで黙々、好きな作業して好きなものつくりあげてもかまわない!! んだよ!!!!

 

自分でつくったものが評価されたときに

喜びを分かち合う仲間がいなくても

ひとり、「くぅぅぅ、やってやったぜ」と喜んだっていいんだ!

 

おっきな仕事するときは

そりゃ、人が必要になるけれど

大きい仕事がすべて、でもないし。

 

自分が一番やりやすい方法で

マイペースにモノづくりしていけばいい。

 

社会の常識とか空気とかどーだっていいんだよ。

自分の弱点、苦手を克服するためにがんばるより

居心地いい空間をつくって

好きなことをとことん突き詰めよう。

そのうちに、苦手と思ってたことが

普通にできるようになることもあります。

 

…とはいえ、まったくひとりでできるほど

万能ではないので

技術的に無理なところは専門家に任せます。

明らかに自分のできないこと(私の場合、音楽、ロゴデザ)は無理、と見極めて

そこは発注しますね。

 

何が苦手か、これだけは無理、て

ちゃんと知っておくと

生きるのがずっと楽になる気がします。

 

シフトチェンジ

最近、というか先月。

とある出来事があり、

「あ…シナリオライター向いてない」

と悟りました。

 

というより、シナリオライターはそろそろ卒業だな。

のほうがしっくりくるかな。

6年ほどプロのライターとしてお仕事いただいて

食べてこれたので、素質はあったと思うけれど、

このままこの道を極めたいか? というと

違うかな…と感じたんです。

 

じゃあこれからどうするのかと言えば、

前々から書いてるとおり、Unityを勉強して

ゲームのシナリオだけじゃなくて

ゲームそのものをつくっていきたい。

0から企画を立てるほうがワクワクするので、

そっちへシフトチェンジします。

 

結局はシナリオも書くので、

今までのことをなかったことにしておしまい、じゃなく

今までのことを活かしてもう少し先に行く

という感じですね。

 

この感覚、前にもありました。

 

最初の就職は、日立製作所系のエンジニア。

パソコンいじれたらカッコイイ、て軽いノリで

商業高校の情報処理科に入り、

7年くらい続けてふとしたとき…

「あ、もういいかな。十分だ」

って思ったんです。

それでもうちょっとクリエイティブなことがしたい、と

エンジニアの経験生かしながらWebデザイナーに転職して

フリーランスになって3年続けて

そこでも「そろそろいいんじゃない?」という感覚が来て

シナリオライターになってゲーム業界へ…とシフトチェンジしました。

 

プログラミングもデザインも、そこそこできる。

突き抜けてできるわけじゃない、けれどまあそれなりにできる。

いわゆる「器用貧乏」。

ひとつのことを突き詰めることができない飽きっぽい性格で、

そこが自分の欠点だと思ってたんですが、

今になってようやく、

全部が必要なピースだったんだ、と気づきました。

 

エンジニアだった頃、Javaが出てきて

オブジェクト指向分からない~…と

壁を感じて辞めたんですけど、あのとき基礎をやってたから

UnityでC++のソースを理解することができる。

たぶん、必要なことは身に着けたから次の段階に進むんだよ、と

見えない誰かに背中を押されたんだと、今ならとらえられます。

 

今後はシナリオの依頼はお断りして、

自分のゲーム制作に集中したいと思います。

PC向けとアプリで二つ、企画を考えているので

その制作に重きをおきます。

仕事を受けるなら、Unityとかのエンジニアとしてのほうがいいな。

エンジニアは素材を受け取って最終仕上げを受け持つので、

シナリオのように先出しで依頼受けて、全体が見える前に

終わってしまう立ち位置よりは、そのほうがいいので。

…と、まあでも、今はようやく実機テストができるようになった

初心者ですけど(笑)

単体でお仕事受けられるくらいに今からステップアップします。

 

それで収入がついてくるのか、まったく謎ですけど

私にとってシナリオだけの仕事をするのは得意な分野で

好きとはまた違ったんだなぁ…ということ。

これからは、好きなこと、ワクワクすることに全力を注いで

ゲームづくりに集中したいと思います!

 

ここまで記事を読んでくれた人がいたなら、これだけ伝えておきます。

今まで自分はこうだったから、こうあるべき。

という見えない鎖で自分を縛る必要はないと思います。

それから、他人から言われた言葉にも支配される必要はない。

私は昔から「器用貧乏」と言われて、それはよくないことだ、と

思い込んでたんですけどそうじゃない。

これは私の長所なんだ、と受け止めてます。

 

こういうことしてきたけど、今度はこれやりたい!

みたいに、自分の本音にフォーカスしたほうがいいです。

 

徐々に変わり始めた世の中の概念が、ここ2,3年でさらに

大きく変わりそうだな~という予感がするから。

そのとき、羽ばたける翼があると、いい風に乗れるんじゃないかと思います!

 

 

ちなみにゲームつくることは変わらないので、

ブログはこれからも続けていきます。

好きと得意は違う。書けば書くほどしんどい、なんてこともある。

好きなことを仕事にしよう!

そして、ゲームが好きで、お話を書くのが好きで

ゲームシナリオライターの道を選んだのなら

この仕事でずっと食べられるよう続けていって欲しい。

 

 

…が、好きと得意は違う。

好きだからと目指してなんとかお仕事もらえるようになったのに

書けば書くほど辛い

なんてことが起きたりします。

 

私もシナリオライターになってから、とにかくいろんな経験が積みたくて

ゲーム以外にドラマCDの脚本や舞台の脚本や、マンガ原作なんかの

お仕事の依頼があるとすぐに飛びついてたんですが

舞台観るのも、マンガ読むのも大好きなのに、

(ドラマCDは聞いてる間何していいか分からないから

あんまり自ら聞いたりはしないですが、嫌いではないです)

いざその仕事をしたらしんどいことがありました。

 

ユーザーとしてコンテンツを楽しむ「好き」は

クリエイターとして作品をつくる「好き」と

イコールではないということですね。

 

つまり、クリエイターとしてつくるのが「得意」ではあっても

それを「好きだ!」と心から楽しめないときがしんどいんです。

 

例えば私が、お仕事の依頼を受けたとき

以下のような感じで下準備を始めます。

 

例)ファンタジーRPG系の世界観設定、シナリオの依頼が来た場合。

 

・依頼に近い作品をプレイして分析

(コンシューマー、アプリ問わず。

企画を立てるときに必ず目標にしていたり参考にしている作品があるので

それを担当さんから聞いておく)

・中世ヨーロッパという時代指定があれば

その頃を舞台にした小説、マンガを読む。アニメ、映画を見る。

・歴史を調べ、その当時の文化を学ぶ

・ファンタジーなら北欧神話ネタがよく使われるので

北欧神話についても調べておく

・ディレクターさんの好きなマンガやアニメがあれば聞いて

好みの傾向を探る。

(最終的に作品のクオリティを管理する人の好みは大事!

プロレスが好き、とか任侠映画が好き、とかおよそ

依頼の世界観とはかけ離れていても

どういうキャラがどう動くか、とかの

好きな展開が割り出せたりします。

あと、その話題で盛り上がって仲良くなっておくと

すごく仕事がしやすくなりますw)

 

…等。

日本が舞台の平安時代、戦国、江戸、とかなら

そこに絞ってまた資料やら参考作品集めて

下地づくりします。

 

新しいことを知ることに快感を覚えるので、

仕事を機に、色々と調べるのが楽しくて

この作業は「好き」なんですよね。

 

 

さあ、じゃあこれらの知識を元に

情報を再構成して新しい物語をつくるとき。

そうなると「得意」が表に立ちます。

創作するのは「好き」なんですよ。

だけど、じゃあなんでここで好きが来ないかというと…。

 

商業作品として、仕事の依頼を受けているから、です。

 

商業作品である以上は、好きなものは好きだ、

という情熱だけではやっていけません。

ある程度、売れるという採算を見込んでつくらなければいけないんです。

当たり前ですが。

 

自分はここで話をストン、と終わらせたい。

そういう展開が好きだ!

しかし、アプリの運営を考えるなら、ここは濁して

次の話もつくれる余白をつくっておかないと…!!

 

とかの考えも必要になってきます。

ここら辺は、他の売れている作品を参考に、

どんな売り方で稼いでるのかの研究をして

話の中に盛り込まないといけません。

 

そこも含んで物語をつくるのが、プロのシナリオライターです。

納品するシナリオは商品なので。

 

で、「好き」と「得意」の違いは何か、というと。

好きはもう、無条件で好き。

そのことを考えると、ワクワクして止まらないもの。

 

得意は、後から身に着けた能力。

勉強して学んで、必要だからと覚えて場面によって使うことのできる

知識や特技。

 

 

マンガ原作の依頼で、今、読者に受けていて売れているのは

エロ系なので、エロ系で原作考えてください。

という依頼が来ると、エロいの好きだけど、微エロが好きであって

ガッツリエロはちょっと違うんだよな…。

ドラマCDで、女性主人公をターゲットにした18禁のシナリオの依頼があって

でも私はBLが好きで、男性主人公じゃないと…しかもその受けは

マッチョ系おじさんじゃないと。とか。

(※あくまで例であって私のことじゃないですw)

 

シナリオライターを目指した以上、話のつくりかた、

シナリオの書き方は勉強しているからなんとか書けるんだけど、

自分の好みとは違うから、テンションが! モチベーションが上がらない…!

てことあります。

いくらプロだとはいっても、人間なので好みはあります。

 

女性向けの恋愛アプリだと複数の攻略対象キャラがいますが

お金持ちオレ様系キャラを書かせたらものすごく上手なのに、

ミステリアスドS系キャラを書いてもらったら、日本語すら怪しい…!

くらい、クオリティにバラつきのあるライターさんは結構います。

 

シナリオを書くというのは技術で、

後から勉強して身に着ける「得意」なことです。

書きたい! という情熱で時間も忘れて書き続けられる「好き」が

そこに伴ってると最強なんですが、

いかんせん、仕事だと「好き」が伴わない依頼も来ます。

 

そんなとき、納品したもののクオリティが低く、

最終的に発注側が別なライターさんに依頼して全部書き直してもらう

なんてこともあります。

(※ここで発注側に見極める能力がないと、

「これじゃない、もっとよくして」という曖昧な指示による

リテイク無間地獄が発生します)

このとき、最初に書いたライターさんの名前を表に出してると

後から書き直した人はゴーストライターとなって

実績として出せなくなるなどの悲劇が起きます。

 

書いてる間、本人も苦しくて、苦しみの連鎖が発生すると

もうほんとみんな辛いだけですよね。

こうならないようにするためには、自分が「好き」だと思うものを

きちんと把握しておくことが大事だと思います。

 

眼鏡をかけたドSキャラが好きで、そういうキャラを書くのが好き! とか。

たいてい、自分が好きなものをきちんと把握しておけば、

それ以外は「苦手」なものになるので、

依頼が来た時にこれは好きか、好きじゃないかと判断できるようになります。

 

仕事だから、生活かかってるから仕事選べない!

…なんて現実的な理由から、

自分に依頼してくれたのに、断ったら次がないかも!

自分を選んでくれて嬉しいから引き受けたい!

…なんて感情的な理由から、

 

「好き」ではない仕事を受け、「得意」でなんとか切り抜ける。

ということを繰り返していると、後々、息苦しいことが待ってたりします。

「得意」は自分をある程度の高みに連れて行ってくれますが

そこから先の、解放された世界に行くには「好き」が重要です。

 

ライターになって続けたとして

3年目とか5年目あたりで、

「あれ、私この仕事好きだったはずなのに…」

なんて悩みが生まれたとき。

この「好き」と「得意」について考えてみてください。

好きを優先して、仕事を選ぶ。

これがその壁をぶち破る鍵になるかもしれません。