シナリオライターになりたい人のためのブログ。

あんこといんことうんこの境目が知りたい。

物語のつくりかた。プロットのつくり方について。

プロットのつくりかたについて聞かれ、

私はこんな風に取り組んでるンDA・YOー★

・・・と、熱を込めて語り始めたら何だか止まらなくなったので

ここに自分なりのプロット、物語、お話のつくりかたに関する

心構えやら考え方、技術などをまとめておこうと思います。

 

けれども最初にこれだけは言っておきたい。

 

ここに『正解』はありません。

 

正確に言えばあなたの正解は、外にはないです。

自分の正解は、自分の中にしかありません。

この記事に書かれていることを読んでみて、

「あ、分かる!」とか「いや、私とは違うなぁ・・・参考にならん」とか

ともかく何かを感じたら、どうしてそう感じたのかを

自分に問いかけてください。

それは、

「前々から自分でも気になってたことが書かれていたから」、

もしくは

「この考え方は違うんだけど、そうだなぁ・・・そう、ここの解釈が違う」

などの答えが自分の中に見つかると思います。

初心者だったとしても、理解できることと納得できない部分は出てくると思うので

そこを自分なりに整理してまとめてみてください。

すると、

「あれは違うからこの勉強をしてみよう」

「この解釈はやっぱり合ってたんだ!よし、これは心に留めておこう」

などの次の行動の指針ができます。

そういうものを積み重ねていくと、

やがて自分なりの【正解】が出来上がっていきます。

そのきっかけづくりになれたら幸いです。

 

 

まず、お話をつくることに関して。

基本から入りたいと思います。

私が初めてシナリオについて学んだ時に触れたのが

ハリウッドの脚本術です。

三幕構成と言えば、ピンと来る人もいるかもしれません。

ハリウッドでは映画はエンタメというよりビジネス。

全世界の、言葉も生活も違うひとたちに感動を与えるには

どうしたらいいか? を考えて導き出したメソッドがあります。

もし、この脚本術を学んだことがないという人は

少しでもいいので触れてみてください。

本格的に勉強しようとすると、それはそれで大変なので

分かりやすく解説されているこちらの本をおすすめします。

時計じかけのハリウッド映画―脚本に隠された黄金法則を探る (角川SSC新書)

時計じかけのハリウッド映画―脚本に隠された黄金法則を探る (角川SSC新書)

 

この本を読んでもっと学びたい! と感じたら、

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

こっちを読み込んでみるのがいいんじゃないかなと思います。

  

ハリウッドの映画なんて面白くないじゃん、と

感じる人もいるかもしれませんが

日本映画よりも売り上げをあげてるのは一目瞭然。

観てる人に分かりやすく物語を体験させようとする構成術は、

とても参考になります。

ちなみに、恋愛シミュレーションで有名なボルテージさんでも

ブランドを立ち上げた元社長さんがハリウッドの脚本術を学び、

そこから独自のテンプレートをつくり、

その下敷きを元にお話を考えれば

初心者でも面白いと納得してもらえるゲームを

つくれるようにしているそうです。

(ボルテージ元社長さんの著書より:「胸キュン」で100億円

 

この三幕構成をそのままゲームシナリオに当てはめようとしても

上手くはまらないんで、自分なりの応用が必要なのですが

ともかくシナリオ制作の基本として頭の中に入れておくだけで、

かなり意識が変わると思います。

 

ノベルゲームの場合はシナリオの文章がそのまま表示されるので

小説を読んで表現方法を養うのも大切なんですが、

その前の、物語を組み立てるときにはこの考え方が大いに役立つはず。

 

主人公の向かうゴールを定めて運命の道を歩かせる。

葛藤と安堵を経験させて、成長を促す。

ゴールへとたどり着いたら今までの苦労が報われるご褒美を与える。

 

すっごくザックリ書きましたが、

私の中で面白いストーリーってなんですかと

質問されたらこういう返答をしますね。

こういう軸が自分の中にあるかないかで

つくった物語の説得力が変わってくると思います。

 

ここまでが、大まかなプロットのつくり方に関する

勉強の仕方です。

それを前提に、細かなポイントについて

ちょこっと書いていきたいと思います。

 

私は女性向けの恋愛シミュレーションを担当することが主なので

それを例に挙げます。

(男性向けを志望していたとしても、何かしら役には立つと思うので

よかったらチラッと読んでいってください)

 

まず、女性向けと言っても、PSVitaやPC向けなどではなく

スマホのアプリ系に絞ります。

さらに最近増えてきたリズムゲームや、カードゲーム系ではなく

あくまで文章を読ませるスタイルのものです。

 

人に説明する際、PSVitaやPC向けは映画、

アプリはテレビドラマだと表現してます。

映画は人物を映さずに風景で心理描写や世界観を表現したりして

丁寧な話運びができるのに対し、

テレビドラマは、主婦などが家事の片手間に眺めていても分かりやすいよう

行動や会話を主体にアクティブに話を運ぶつくりになってます。

映画館だとじっくり浸れるけれど、家でテレビを観てると

何かをやりながらの、ながら観とかしますよね。

あれがそのままゲームプレイ時の状況に当てはまると私は思ってます。

PSVitaだったらわざわざゲーム機取り出して電源入れて

「ゲームするぞ!」て気合入れるけど

スマホの場合、ほんの合間にちょこちょこいじることが多いです。

 

つまり、アプリの場合、いかに退屈させないつくりにするかが重要かと。

 

1日5話無料というスタイルをとるアプリだと、

5話の最後にヒキをつけなければいけないので

起伏が弱いと、このヒキも弱くなりますよね。

かといって、毎回毎回ドキドキする起伏の激しすぎる展開だと

逆に読むのが疲れるので、

5話の中に山か谷をつくったら、その前後に落ち着いて読める

平坦なシーンも盛り込むようにします。

 

例)

街中でコーヒーを持った男性にぶつかられ、服を汚される。(山)

ハンカチを渡され、自分の連絡先を聞かれる。

服が汚されて散々だったな(谷)と思いながら自宅でくつろぐ(平坦)

明けて次の日、知らない電話番号から連絡が来て昨日の相手と判明。

来て欲しいという要望に応えて向かうと、そこは日本有数の大企業のビルで

相手がその経営者と知る。

(正体がはっきりする一歩手前くらいで区切るのがヒキかな)

 

すっごくザックリ書いたので、設定は適当です。

だいたいこれくらいが5話分かなぁという感じです。

この流れだと、キャラクターは柔和な感じで

思いやりのある発言をするのに、行動は強引。

相手のことを考えているようで自分から出向かずに、

主人公に来るよう仕向けてるところから、

そんなことが伝わってくるかなと。

この後きっとお詫びの食事を、て言いながら

ドレスコードのあるレストランに誘って

服を着替えさせてそのままプレゼント。

遠慮して返却しようとするのにそのまま彼女をタクシーか何かで

送らせて無理やり返せないようにするんでしょうね。

 

第一印象は優しいイケメンだったのに、

実はやり手の経営者という感じを受け、

けれどもきっちりエスコートしてくれるところにときめいたり

後で何とかして返しに行かなきゃと思いながら、

どうやって会えばいいんだろ、って悩んだり・・・。

とそこへ、親しい先輩や友人が現れて相談してちょっと落ち着く。

で、イケメン経営者と出会えるヒントを教えてもらう。

(これが次の5話分くらい)

 

今文章書きながら、即興で設定作ってるのでアラがありますが

相手の言動で主人公の心理がコロコロ変わっているのは

伝わるかと思います。

その中で、マイナスイメージとプラスイメージ双方感じて

抵抗がある、けれどもちょっと惹かれて気になる・・・と仕向けてます。

プロットを作成する際はこの揺れ動きがきちんとあるのか、

意識することが大切です。

 

5話が3回続いて1章(15話)。

それが11章分続いて、

12章からハッピーエンド、ノーマルエンドに分岐する。

こういう構成のアプリだったなら、

だいたい6章辺りで2人の仲が近付いて

けれどもそこに、対象キャラの大きな問題が発生

(過去のトラウマが原因で恋愛できないならその原因となった事件に関わる、

もしくは例に挙げた彼の場合は、会社が敵対的買収されて仕事でピンチになど)

問題発生中は主人公と距離が離れ、その間に好きな感情が育まれ

彼を助けるために主人公が動いて、そんな彼女に彼も本気で惚れる。

 

セオリーでいけば、全体的な物語はこんな風になるかなと思いますが

ここに、発注者側の意図が反映されているのかどうか

一度プロットが出来上がったらそれを確認してみましょう。

確認の仕方はこうです。

 

出来上がったプロットの流れを1行でまとめてみる。

 

さきほどのザックリの例だと、

『自分のことすら頓着せずに仕事最優先の男が、初めて何よりも大切な恋人を得る話』

という感じですかね。

これは企画を立てるときにも重要視するポイントですが、

人が一度に受け取れる情報って少ないです。

なので、くどくど説明しても理解されない。

つまりくどくどと説明しなければまとめられないような内容になっていたら

それは読み手に伝わりにくいということです。

 

順番としては、この1行テーマをつくってからプロットに着手したほうが

ブレが少なくて済むんですが、

説明をするためにあえてこの流れにしました。

 

もしここに書いてあることを踏まえてプロット作成に活かそうと

思われるのであれば、1行テーマをつくってから

プロット作成に着手するのをオススメします。

そうすると、発注者の意図から逸れずに済むし、

芯がしっかりとした説得力のあるものができるので。

 

***

 

頭の中にあるものをバーッと書きだしたので

まとまりがなかったり、詳細な部分の説明が足りなかったりしますが

ともかくここでこの記事は締めたいと思います。

いい加減長くなったので。

これを読んでから先は、冒頭に書いたとおり

自分で感じたことを手掛かりに、自分なりの正解を探す旅に出てください。

 

ほんの少しでも誰かの為になって

ゲーム業界の発展に少しでも繋がったらいいなぁ。

そんなことを考えながら、ドラクエヒーローズ2を遊びたいと思います。

私はVita、旦那さんはPS4で遊んで

たまにマルチプレイしてますけど面白いですよ~!