シナリオライターになりたい人のためのブログ。

あんこといんことうんこの境目が知りたい。

初心者向けのシナリオの書き方【ゲームシナリオ編】

シナリオ、と一口に言っても

ゲームのシナリオ、

ドラマの脚本、

舞台の脚本、

ドラマCDなどの音声作品の台本

…と、媒体が変わると呼び方も変わって

書き方も変わってきます。

この書き方の違いで、最初、色々戸惑ったのを思い出したので

それぞれについて特徴をまとめます。

とはいえ、あくまで初歩の初歩。

これからシナリオライターになりたいなぁ~という人向けの

ものなので、文章の書き方は分かってる!

さらにもう一歩進みたいんだ! という人は

読んでも損かもしれないです。

 

まず、【ゲームのシナリオ】について。

特に私が主に担当する事が多いのは

ノベル系なんですけど、このノベル系は…

 

・キャラクターのセリフ

・キャラクターの思ってること

(黙考とか心内語とか呼ばれる心の中のセリフ)

・地の文

(状況説明文。場合によって主人公の視点からの描写、

第三者視点からの客観的な描写に分かれたりする)、

 

といった三種類で構成されてます。

小説の描写に近いのでノベル系とか呼ばれてます。

これの最大の特徴は、

文がそのままゲーム画面に表示される

ということ。

なので、シナリオを書く段階で漢字をどれくらい使うか、

(“子供”なのか、“子ども”なのかで雰囲気変わりますよね。

ちなみに漢字をひらがにすることを“文字をひらく”、と言います)

数字は半角がいいのか、全角のほうがいいのか、

三点リーダーをどう表記するか、

(小説の文章の作法としては“……”と小さな点6つで書くものだけど 

スマホなどで遊ぶアプリの場合、

画面が小さいからフォントの関係で認識しづらいので

“・・・”を使ったり、

逆に表示できる文字数が限られてるから

“…”だったり、とゲームの開発会社によって

表記が変わります。

※ちなみに仕事始めたばかりの私は

まともに文章の書き方も知らなかったから

三点リーダーを知りませんでした!

三点リーダーは偶数個でひとつ、という考え方なので

本来は“……”が正しいです。

そういえばこのブログでも偶数個使いしてないんですが

スマホで読むこともあるからです)

 

仕事の依頼のときに、こういうルールで書いてください、と

指示があるのでそれに従って書きます。

 

ノベルじゃなくRPGの場合は、

キャラのセリフがメインなので地の文はないですね。

今のRPGだと大体声優さんが声をあてるので

シナリオから台本に変換する作業があったりします。

台本は、ドラマCDとかのほうで説明するので

ここでは割愛します。

 

ちなみに、基本中の基本のことを書いたんですが

私がシナリオライターデビューしたとき、

コンペに出したプロットが採用され、

文章の書き方も分からずに仕事受けてたので…

まあ、この基本すら知りませんでした!

 

シナリオ提出して、担当さんから赤で修正、指摘されて

少しずつ覚えていったという感じです。

というわけでシナリオライターは特に勉強しなくても

なれる職業です。

いやむしろ、シナリオについて教えてくれる学校が少ないんで

私の周りのライターさんで、

勉強してから入ってきた人はむしろいないような…。

 

なので、書きました。

あの頃の初心者の駆け出しライターだった私に向けて。

ちなみに、基本中の基本が分かってから

ここはこうしたほうがいい、と指摘を受けて

以来、今でも注意してる点も書いときますね。

 

・誰が行動したのか、分かりきってるときは地の文に名前を入れない。

⇒例えば“太郎”というキャラと喋っているとき。

太郎「やあ、こんにちは」

太郎くんがやって来て、にこりと笑う。

私「こんにちは」

私もつられて笑いながら返事をすると…。

太郎「じゃあさようなら」

そう言って、太郎くんは去っていった。

 

…この、最後は、もうそれが太郎くんだと分かってるから

 

修正)そう言って、彼は去っていった。

 

ノベル系だとセリフに名前がつくので、

画面に“太郎”という文字が繰り返されて

くどい感じがするので

代名詞で置き換えられるところは

置き換えるようにしてます。

 

まあ、好みの問題って言えばそれだけなんですけどね~。

ただ、人の名前だけでなく

 

例)私は薙刀を握りしめ、そして薙刀を振り上げた。

私が繰り出した薙刀は相手のほおをかすめ、

空を斬るにとどまった。

 

…などなど、自分の書いた文章を客観視できていないと

物の名称や行動を繰り返してしまうこともあるので

ここは意識したほうがいいです。

恋愛ものだとよくあるのが“キス”という単語の繰り返し。

 

例)西城さんはフッと笑って、私に顔を近づけ…キスをした。

なんだか甘いキスだった。

私「え、なんで…キス…」

西城「したかったからだよ、君にキスが」

そう言ってまた笑って、再びキスをしてきた。

 

キスは、“唇が重なった”とか“口づけされた”とか

“唇が奪われた”、“柔らかな感触が唇に触れた”

もっと間接的に描くと

“柔らかな感触がしたとたん、甘い香りが鼻をくすぐった”

…など。

相手の香水が強く感じられるくらい、顔が近づいたんだなぁと

いう描写です。

キスされた、というだけより印象に残りやすいかなぁ…と

個人的には思ってるので

重要なシーンでは、あえてそういう書き方をしたりします。

こういう表現は、小説とかゲームの中から

素敵だなと思った表現を拾ってファイルにまとめて、

後で参考にして使ってます。

もちろん、文章そのまんま、一字一句同じに書くのは駄目なので

一度飲み込んで、自分なりの表現に変えて使ってますよ!

 

ちなみに、自分用の表現ファイルがないという人には

日本語表現インフォ(小説の言葉集):ピンとくる描写が見つかる辞典

このサイトが便利ですよ~。

  

…ということで、記事が長くなったので

ゲームシナリオ初心者編はこれにて終了。

もっと、こういうことが知りたい! という人は

コメントにでも質問もらえれば、

答えられる範囲でお答えしますよ~。

 

続く、ドラマCDとか他の媒体のシナリオの書き方は

“シナリオ書き方講座”

というカテゴリーつけるのでそこからたどってください。

 

 

 

追記:※愚痴です

…このブログ書き終わって、

スターウォーズ『最後のジェダイ』のパンフレットを開けてみたら

こんな文章が真っ先に飛び込んできた。

 

STORY:

レイはルークを見つけ、彼のものだったライトセーバーを差し出した。

レイはカイロ・レンとのスターキラー基地での戦いでライトセーバーを使い、

その時フォースが自分の体を流れるのを感じたが、フォースをどうやって使えばいいか分からなかった。

ルークからそれを教えてもらい、2人で力を合わせれば闇の力と対抗できる。

レイはそう信じてオクトーにやってきたのだった。

 

 

気になる、これは気になって内容を飲み込むより先に

文章を直してしまう自分がいる。

↓こんな風に。

 

レイはルークを見つけ、彼のライトセーバーを差し出す。

彼女はスターキラー基地でカイロ・レンと戦った際に

フォースが自分の中に流れるのを感じたが、

どう扱えばいいのか分からなかった。

ルークから教えを受け、2人で力を合わせれば闇の力と対抗できる。

そう信じて惑星オクトーにやってきたのだった。

 

この後もずっと、レイ、ルーク、が繰り返されてるのが

気になって仕方ない…。

たぶんこれは、英語版を翻訳したからなのかなぁ…なんて思うけど

映画がすんごくワクワクして面白かったから、

全体への期待値もあがってるので、

できればちゃんと書いて欲しかったな…とか、とか思いました。

写真を眺めて楽しもう。

 

これだけは言っておくけど、

スターウォーズ『最後のジェダイ』はBB8が可愛くて一層好きになったし、

レイもフィンも、ポーも、ルークも、レイアも、新キャラも!

とにかく主要人物のキャラが掘り下げられて

それぞれが苦悩と葛藤を抱えながら、成長して活躍するので

物語としても満足だし、映像の美しさが際立ってて素晴らしかったです。

映画はほんとよかった。

うん、その余韻にひたりながらパンフ見よう。

(ここでこれ書いて落ち着いた)